森林、樹木等の緑は、心にやすらぎを与え、また、あらゆる生物の生存に不可欠な水の供給源として、人間の健康で文化的な生活にとって欠くべからざる貴重な財産であり、これを守っていくのは、都市の住民をも含む国民全体の責務と考えられます。
このような認識のもとに、昭和25年以来民間団体において「緑の羽根」募金運動が展開され、国土緑化の推進に着実な成果を果たしてきたところですが、運動の基盤が十分に整備されなかったため、十分満足できる状況になっていませんでした。
このような中、森林整備等の意義に対する国民の理解を広め、国民全体による森林整備等の取り組みを推進しつつ、森林整備等の推進に必要な募金額を確保するため、「緑の羽根募金」を「緑の募金」として、その基盤強化と取り組みの多様化を図ることを目的として平成7年5月8日に「緑の募金による森林整備等の推進に関する法律」が制定され、「緑の募金」が誕生したのです。
多くの人々の協力により集まった「緑の募金」は、「森林の整備」、「緑化の推進」、「森林整備又は緑化の推進に係る国際協力」の三つの分野で、森林づくり、緑づくり、そしてそれらに協力する人材づくりを進める「緑の募金事業」に使われます。
具体的には、森林ボランティア団体等の森づくり活動に対する助成等に充てられます。
森林は水を育み、山崩れを防ぎ、また、二酸化炭素の吸収源として、地球温暖化防止に役立ち、私たちの暮らしの安心と安全を支える大切なものです。今、水源林の整備等、森林づくりは私たちの生活に安全で安心を維持するために欠かせないものです。
これまで「緑の募金」には、「家庭募金」、「学校募金」、「街頭募金」、「企業募金」、「職場募金」という5つの募金がありましたが、今日ではインターネットを通じての募金や携帯端末からのモバイル募金、さらには緑の募金協賛商品を通じての協力、コンビニエンスストアの募金箱に募金する等、多様な方法があります。
「緑の募金」は、春(1月15日から5月31日)と秋(9月1日から10月31日)に実施されます。
特に「緑の月間」(4月15日から5月14日)を「緑の募金全国一斉強調月間」に設定し、多くの人たちに緑の募金への参加を呼びかけています。
森林の恵みは、山村地域住民のみならず都市に住む住民も広く享受しているところであり、森林を守り育てるのは、国民各層、幅広い協力を得て行うべきであると考えられます。
森林ボランティアとして、直接森林づくり活動に参加することも大事なことすが、直接森林づくりにかかわることができなくても、緑の募金に協力すること、あるいは国産材の利用を選択することも日本の森林づくりに係わることになるということを多くの人に理解してもらいたいと思います。
今日、多くの企業がCSR活動の一環として企業募金・職場募金や協賛商品の販売を通じ「緑の募金」に協力いただいています。
具体的には、売り上げの一部を募金する商品の販売、企業の冠イベントでのチャリティー募金、協賛広告、店頭への募金箱設置などがあります。
また、森林づくりを通じた社会貢献、環境貢献活動を目的として、企業と森林ボランティアとの協働による森林づくりがあります。国土緑化推進機構では、そのような活動をサポートしています。
なお、企業の募金には法人税の特例措置があります。
昭和25年春から始まった「緑の羽根」募金運動は多くの人々の支援の下、国土緑化に大きな役割を果たしつつ今日に引き継がれています。
緑の募金運動のシンボルとなっている「緑の羽根」は、共同募金会の「赤い羽根」にならって考案されました。
募金運動への協力を契機にこれまで森林に関わりのなかった方々が関心を持ち、国民参加の森林づくり活動の輪が広がることを期待します。
1本の木を植える経費については、様々な試算があり、例えばA県ではスギ植林費約80万円/ヘクタール、広葉樹植林費約110万円/ヘクタールなどの数値が出されていますが、植栽される作業条件、苗木の種類、大きさ、植栽本数等により結果は大きく異なります。
具体的には、個々の事例により積算されるものと思います。
一般的には、募金箱に募金する方法があります。この場合、緑の協力員などが設置する募金箱、コンビニエンスストアの店頭や企業に設置される募金箱などがあります。
また、インターネット募金、携帯電話からのモバイル募金などがあります。
直接緑の募金口座への振り込みによる募金もできます。この場合専用の振込用紙もあり、手数料が免除となります。
振込など募金者が特定できる場合には所得税等の優遇措置があります。
「緑の募金」の実施期間については、農林水産省告示第734号(平成7年6月1日)(平成16年12月28日付け農林水産省告示第2227号により一部改正)により、毎年1月15日から5月31日、9月1日から10月31日までと定められています。
また、「緑の月間」(4月15日から5月14日)は、特に募金一斉強調月間として積極的な募金活動を実施しています。
緑の募金は、全国段階では農林水産大臣の指定を受けた民法法人である社団法人国土緑化推進機構が、都道府県段階では、都道府県知事の指定を受けた民法法人である都道府県緑化推進委員会が、それぞれ実施主体となります。
国土緑化推進機構は、緑の募金の趣旨に賛同し、緑の募金活動等に協力する意思を有する者を公募等の方法により募集し「緑の協力員」として認定しています。
認定された緑の協力員は「緑の協力員」として登録するとともに「緑の協力員証明書」を発行し、様々な募金活動への協力をいただいています。
また、緑の協力員は、地域のニーズを踏まえ、身の周りの緑化等地域緑化活動計画(グリーンプラン)を作成し機構に提案することができます。
提案を受けた機構は、その内容を検討し、適当と認めるときはその実施に協力するものとし、緑の募金協力員に対し、活動の内容に応じて、募金箱、緑の羽根等の募金資材を提供するものとされています。